ユリイカ 2008年9月号、「特集 太宰治／坂口安吾　無頼派たちの“戦後”」（青土社）です。状態は、未使用に近く、非常に良好です。送料は、クリックポストで185円です。

★内容：　
◇《二人の文学者と二つの“戦後”》
　 後ろめたさとともに書く　粗いプリセットをすりぬける言葉　／町田康
　 　付録　馬地獄　／織田作之助
　 男とはマザー・シップと見つけたり　あるいは存在を耐えるための軽さ　／吉本隆明
◇《坂口安吾の戦争・自然・愛》
　 「桜の森の満開の下」 と 「夜長姫と耳男」　／井口時男
　 木登りする安吾　「文学のふるさと」 再考　／中島一夫
　 大人の仕事　／横田創
◇《６０年後の太宰治》
　 読者失格　／島尾伸三
　 孤独の共犯者　いま、太宰治を読むということ　／木村綾子
◇《 『人間失格』 で溢れるポストモダン》
　 逃げ水の行方　太宰治的〈じぶん〉のつくり方　／伊藤氏貴
　 『人間失格』 の語り手はなぜダメ人間でなければならなかったのか？　／神山修一
　 ケータイ小説として再発見される 『人間失格』　／速水健朗
◇《 〈太宰治〉を取り巻くものたち》
　 恋と革命・２１世紀旗手　太宰治より伊藤整と高見順が好きなんだけど。　／千野帽子
　 より強くアナクロニズムを　「男女同権」 と 「桜桃」　／佐藤泉
　 男の〈顔〉と喰えない女　『グッド・バイ』 の果ての果て　／ゆずはらとしゆき
◇《資料》
　 太宰治／坂口安吾をいま読むための作品ガイド　／選・解説；青木純一
連載・そのほか

★太宰治（だざい おさむ）は1909年（明治42年）、青森県生まれ。本名は津島修治。東京帝国大学仏文科中退。井伏鱒二に師事。左翼活動での挫折後は、自殺未遂や薬物中毒を繰り返しながらも、第2次世界大戦前から戦後にかけて作品を次々に発表。主な作品に『富嶽百景』、『走れメロス』、『津軽』、『人間失格』などがある。没落した華族の女を主人公にした『斜陽』はベストセラーとなる。戦後はその作風から、坂口安吾、織田作之助、石川淳、檀一雄らとともに新戯作派または無頼派と称されたが、典型的な自己破滅型の私小説作家であった。1948年（昭和23年）、玉川上水で入水自殺（享年38）。命日には「桜桃忌」が営まれる。

★坂口安吾（さかぐち あんご）は1906（明治39）年、新潟県新津町（現・新津市）生まれ。少年時代から自由奔放でありながら極度にはにかむ性格で、新潟中学を２年次に落第、東京の豊山中学に転校し、卒業後小学校の代用教員となる。東洋大学印度哲学科に入学し、アテネ・フランセに通い、ヴォルテールなどを愛読。1930年同校卒業後、同人誌「言葉」を創刊。1931年に「青い馬」に発表した短編「風博士」が牧野信一に激賞され、新進作家として認められる。1942年、ブルーノ・タウトの日本の伝統文化礼賛に反発し「日本文化私観」、46年に評論「堕落論」、小説「白痴」を発表。戦後文学の突破口をつくったといわれ、以後は太辛治、織田作之助らとともに無頼派作家と呼ばれた。「道鏡」、「桜の森の満開の下」、「火」など旺盛な創作力を示すとともに、推理小説にも手を染め、「不連続殺人事件」などを発表し幅広く活躍。24年芥川賞選考委員に推される。一方、「安吾巷談」、「安吾新日本地理」などの文明批評的エッセイも書いた。1955年死去（享年48）。

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